自営業者、フリーランスの知恵袋

自営業者の経験から語る人生の幸福への道しるべ

年金の繰り上げ支給、繰り下げ支給 PART2

PART1から続く。

早く「定年退職をしたら日本国中を夫婦で旅行したい」と思っているシニアの方も多いと思いますがその楽しみは一瞬で過ぎてしまい金銭的にかなり余裕のある家庭でも旅行など飽きてしまい、飽きたらヒマになり時間潰しに苦労しているのが現実だと思います。そして何よりも一部の超裕福層を除いて思ったより使えるお金が無い家庭が半数以上でいつまでも家計のために働きたいと思っているんじゃないでしょうか。「老後の年金生活は自由でお金がありバラ色だ。」というのは今の世の中では幻想だと思います。

最近は「毎日やる事があるのが生きがい」と言うそうです。もし会社で「定年退職後も再雇用で残ってください。」と言われたら「多少嫌な仕事だな。給料もガクッと下がるし。」と断らないで喜んで会社に残る選択も重要だと思います。

再雇用は暇つぶしと給料の一石二鳥

会社の再雇用は会社も助かる、仕事が出来て暇つぶしになる(奥様も楽です!!)、給料をもらえて月々の生活費の当てられる、と三方良しの制度です。少しでも給料をもらえるという事は質素な生活をすれば無理をしないで生活が出来そうです。それを利用して年金を繰り下げ支給をすれば老化が進んで働けない体になっても「保険替わりの年金」の年間の年金額が増えています。それの元々現在の仕事が好きなら良い事だらけです。気合が入ります。

自営業やフリーランスこそ国民年金の繰り下げ支給を

自営業やフリーランスは厚生年金に加入していません。ハッキリ言って老後は会社員と比較して不利になります。その代わり事業が順調なら体が動くうちは年齢に関係なく体が続く限り収入があります。国民年金の繰り下げ支給は自営業やフリーランスのためにある制度と言って過言ではありません。筆者みたいな個人投資家株式投資で利益が出ていて貯えがあるうちは国民年金の繰り下げ支給を75歳まで粘るのが理想です。

これからは年金生活にとってインフレが大敵です

ここ一、二年は物価が上がるインフレ状態が続いています。過去の経験から言って年金生活者の大敵はインフレです。物価が毎年上がるのにそれに比べて年金額の上昇が物価スピードに付いて行けない状態になり易いからです。それはインフレが続く限りは年金額の目減りを意味します。インフレの間はつらい局面になりやすいです。日本は最近まで長い間デフレ状態が続きました。それは年金生活者にとってバラ色の時代が長く続いた事です。年金は物価スライド制度なのに政府は高齢者保護政策によって年金受給額が下がらなかったのです。デフレ下では物価が下がるので実質的に手取りアップと同じ効果が長く続きました。でもここ一、二年はインフレにより年金受給額が実質的に目減りしています。本来なら支給額を上げなければいけませんが、生活救済の補助金を振り込んでいます。まあ効果は同じでしょうが年金自体を物価スライドした方がスッキリします。

75歳まで繰り下げ支給を選択してその間物価スライドが不十分なら「目も当てられない程実質的に年金目減りしてしまった」という事態が起こる可能性もあります。筆者もこのインフレによる損得の結果論は予測できません。それでも筆者は「国民年金は働けなくなった時の保険」と考えていますので、インフレによって年金の価値が目減りしても現時点では国民年金の75歳までの繰り下げ支給を出来る限り実行したいと思っています。国民年金は保険という最後の砦ですので。

年金の繰り上げ支給に一言モノ申す

国民年金には繰り上げ支給制度があり、60歳から支給開始出来るそうです。5年も早く年金がもらえるなんて魅力的ですね。世の中「うまい話には裏がある。」この繰り上げ支給にも、もちろん裏(闇)が存在します。この国民年金の繰り上げ支給を選択すれば、受給者が早く死亡すれば国民年金の総受給金額が増えます。でも90歳など長生きした場合、65歳からの受給に比べて、総受給金額が減ってしまうのです。(何歳まで生きれば損する損益分岐点があります。皆さん調べてみましょう。)筆者みたいに国民年金を保険と考えている人間からすれば国民年金の繰り上げ支給など天下の悪法です。この制度を考えた人の頭が信じられません。

筆者が聞いた実例を言います。例1、ある知人の男性は60歳を過ぎた頃年金の繰り上げ支給をしました。その方の家庭は子沢山でたぶん貧乏だったのでしょう。その頃「人間いつ死ぬか分からないので60歳で年金をもらう」と言っていました。その男性は現在80歳を過ぎています。とうに損益分岐点の年齢を過ぎているはずです。元々貧乏だったはずですので、年金の総受給金額が減っているのは今ではこたえているはずです。

例2、その婦人も家庭が貧乏でしたので国民年金を60歳から繰り上げ支給しました。その婦人もすでに損益分岐点を超える年齢に見えます。こちらの婦人は一人暮らしでお嫁さんに行った実の娘さんにその事実を言ったときに「年金の繰り上げ支給を何で相談しなかったの!!65歳まで援助したのに!!」(しっかりした娘さんです。)「だって家計が苦しかったけどあなたたちに迷惑を掛けるのが嫌だったのよ。」と言ったそうです。

筆者には言いませんが、たぶん両者も現在「失敗した」と心の底から悔んでいるはずです。年金は長生きした時のための保険です。働けなくなった時の給料になるのですから。年金を損得で語るのは、早く死んだ時のことではなくて予想外に長生きしてしまった時の事です。老婆心ながら。現在は長生き自体が金銭的なリスクですから。

「このブログは筆者の個人的な考えをアップしているので正確な情報、考え方ではありません。ご容赦ください」